2科目のシラバスの成績評価欄を並べて配点を見比べている大学生

楽単の探し方|履修登録で見るべきシラバスのポイント7選

同じ2単位でも、期末レポート1本で終わる科目と、毎週の課題に中間試験が付く科目があります。楽なのは前者ではありません。書くのが苦手な人にとっては前者が地獄です。楽単は科目の属性ではなく、自分との相性です。

「楽単」の定義を変えると、探し方が変わる

楽単を探すとき、多くの人は科目のリストを探します。誰かがまとめた「楽単一覧」を見て、そこから選ぼうとします。

これがうまくいかない理由は単純で、取りやすさが人によって違うからです。

同じ2単位の科目でも、こういう差があります。

科目A科目B
期末レポート100%出席20% + 毎週課題30% + 中間試験20% + 期末試験30%
学期中の提出物は無し15週すべてに提出物がある
期末に数日集中して書く毎週2〜3時間ずつ拘束される

どちらが楽かは、その人が何を得意にしているかで逆転します。文章を書くのが苦手な人にとって、科目Aは学期末に一人で崖に立たされる科目です。逆にコツコツ続けるのが苦手な人にとって、科目Bは第5週あたりで崩れます。

だからこの記事では、楽単をこう定義します。

楽単とは、手を抜ける授業ではなく、自分の得意な評価方式の授業のことです。

ユウタ

つまり俺の場合、テスト一発の授業だけ取ればいいってこと?

ミオ

ユウタが試験得意だったら、ね。……去年その理屈で全部テスト科目にして、期末に全部同じ週に来て死んでたと思うんだけど。

自分の型を先に決めておくと、シラバスを見る目が変わります。

  • 試験が得意(範囲が決まっていれば詰められる)→ 試験の比重が高い科目
  • 文章が得意(時間をかければ書ける)→ レポート型の科目
  • 毎週コツコツできる(締切が近いほうが動ける)→ 平常点・毎週課題型の科目
  • 人と話すのが得意 → 発表・グループワークのある科目

苦手な型の科目を避けるほうが、得意な型を探すより効きます。 落単は得意な科目では起きません。

シラバスを見る順番

ここからが本題です。シラバスは項目が多いので、見る順番を決めておかないと読むだけで疲れます。上から順に見てください。

1. 成績評価の配点内訳

最初に見るのはここだけでいいと言っていいくらい重要です。「期末試験60%・レポート30%・平常点10%」のような内訳が書いてあります。

配点は、その科目が何を要求しているかの設計図です。ここを見ずに授業名や時間帯で選ぶと、学期が始まってから想定と違うことに気づきます。

内訳が「総合的に評価する」としか書かれていない科目もあります。その場合は初回の授業で必ず説明されるので、初回を欠席しないでください。 初回で配点を聞き逃すと、その学期は配点を知らないまま進むことになります。

2. 出席の比率と、失格条件

出席は2種類の意味で出てきます。混同すると危険です。

ひとつは配点としての出席(平常点◯%)。もうひとつは失格条件としての出席(◯回以上欠席で不可)です。

後者は配点とは別枠で、何点取っていても無条件に不可になります。 「出席は10%しかないから休んでも平気」と考えて、失格条件で落ちるのが典型的な失敗です。

単位が何に対して認定されているのかという前提は大学の単位の取り方にまとめています。

3. 試験かレポートか

ここで、さきほど決めた自分の型と照らします。

評価の中心拘束のされ方向いている人
期末試験試験期間に集中。学期中は軽い範囲が決まれば詰められる人
レポート締切前に集中。分量次第で長期戦書く時間を自分で確保できる人
平常点・毎週課題15週にわたって薄く継続締切が近いほうが動ける人

注意すべきは、期末に集中する型ほど他科目と衝突することです。 試験科目ばかり並べると試験期間に全部来ますし、レポート科目ばかり並べると同じ週に締切が重なります。型は分散させたほうが安全です。

4. 毎週の課題があるか

シラバスの「授業計画」や「授業時間外の学修」の欄を見ます。ここに毎回の小テスト、リアクションペーパー、予習課題が書かれていたら、その科目は15週すべてで時間を取ります。

配点上は30%でも、拘束される総時間では最大になることがあります。配点の大きさと拘束時間の長さは別物です。 ここが一番見落とされます。

5. 中間試験があるか

中間があると、負荷の山が学期の中央にもうひとつ増えます。しかも中間の時期は、他の科目のレポート締切が集まりやすい時期でもあります。

シラバスの授業計画に「第8回:中間試験」と書いてあるかどうかを見ておくと、学期の途中で不意打ちを食らいません。

6. グループワーク・発表があるか

グループワークは、自分の努力が成績に直結しないという点で他と性質が違います。集合の日程調整、他のメンバーの進捗、役割分担が絡み、自分の時間の使い方だけでは完結しません。

人と進めるのが得意なら有利ですが、バイトのシフトが不規則な人や、通学時間が長い人にとっては拘束が重くなります。得意不得意ではなく、時間の融通が利くかどうかで判断してください。

7. 授業方式(対面・オンライン・オンデマンド)

ここで、よくある誤解を1つ外しておきます。

「オンライン=楽」ではありません。

オンデマンド型は視聴時間を自分で決められる点で自由度が高い一方、視聴の証跡を残すために毎回の確認テストや小レポートを課す設計が多く、対面より提出物が増えることがあります。しかも「あとで見る」ができるぶん、溜めると取り返しがつきません。

対面は移動時間が要りますが、出席すれば終わる形の科目もあります。授業方式だけでは負荷は決まりません。 必ず1番の配点内訳とセットで見てください。

噂と抽選倍率の扱い方

シラバス以外の情報も使えますが、使い方に条件が付きます。

抽選倍率は、負荷の指標ではない

「倍率が高い=人気=楽単」という推測をよく見ますが、これは一段飛んでいます。

人気になる理由は複数あります。

  • 単位が取りやすい
  • 教員の授業が面白い
  • 内容が実用的・就活で使える
  • 時間帯が良い(2限や3限、空きコマを埋められる)
  • 必修や他の科目との相性が良い
  • 定員が少ないだけ(人気ではなく枠の問題)

倍率が示しているのは「人が集まっていること」だけで、その理由までは示していません。 最後の項目のように、そもそも人気と無関係に倍率が上がる場合もあります。

倍率は候補を見つける入口としては使えます。ただしそこからシラバスを開くまでが1セットです。

先輩の評判は、年度と担当を確認する

評判が使えなくなる典型は、担当教員が替わったときです。同じ科目名でも、担当が替われば評価方法ごと変わります。

  • その話は今年度のシラバスと同じ担当教員か
  • 評価方法が変わっていないか(配点欄を去年と比べる)
  • 話してくれた人の得意な型は、自分と同じか
  • 「楽だった」の中身は何か(試験が簡単・課題が少ない・出席が緩い、で全部意味が違う)

最後の項目が重要です。「楽だった」は情報量がほぼゼロです。 何が楽だったのかを聞き出せてはじめて、自分に当てはまるかが判断できます。

リナ

後輩に「あの授業楽単ですか?」って聞かれるの、正直いちばん答えづらいんだよね。

私が楽だったってだけの話だから。

友人との情報共有と、生成AIについて

楽単の話には、たいてい「友達と協力する」「AIを使う」が付いてきます。ここは線を引いておきます。

どちらも、その授業のルールで許可されている範囲でだけ使ってください。

ノートの貸し借り、講義内容の確認、試験範囲の情報交換は、多くの授業で問題になりません。一方で、提出物の共同作業が禁止されている課題を一緒にやる、生成AIの使用が禁止されている課題に使うのは、楽単の話ではなく不正行為の話になります。

生成AIの扱いは大学ごとに規定が異なり、文部科学省も大学・高専における生成AIの教学面の取扱いについて(令和5年7月13日)で、各大学が主体的に方針を定めることが重要だとしています。国が一律の可否を示しているわけではないので、根拠になるのは所属大学と担当教員の規定です。

黒田教授

毎年言っているが、協力と提出物の共有は違う。……そして、こちらは同じ文章が並んでいれば分かる。

両方から事情を聞くことになるので、双方にとって時間の無駄だ。

引用や出典の線引きはレポートの引用の書き方にまとめてあります。

楽単だけで時間割を組まないほうがいい理由

最後に、この記事の前提を1つ崩しておきます。

取りやすさだけで選ぶと、履修全体では損をします。

理由は3つあります。

1つ目は、卒業要件が科目区分ごとに決まっていることです。 取りやすい科目が特定の区分に偏っていると、後の学年で必要な区分の科目を詰め込むことになります。3年後期に必修が集中する形は、ここから生まれます。

2つ目は、GPAが科目の難易度と無関係に決まることです。 楽な科目でも、興味が無いまま惰性で受けると評価は伸びません。GPAは奨学金や研究室配属、留学、院進学の選考で見られます。

3つ目は、時間割の形が崩れることです。 取りやすさを優先して置いていくと、必修を入れる場所が残らなくなります。順番の話は履修登録で失敗しない時間割の組み方にまとめています。

現実的な使い方はこうです。必修と、必要な区分の科目を先に置く。そのうえで残った枠を、自分の得意な評価方式の科目で埋める。

ハル

つまり「楽な科目を探す」んじゃなくて、「自分が崩れない形に組む」ってことか。……その言い方だと急にやることが具体的になるな。

まとめ:履修登録の前にやること

シラバスを開く前に、この順番で作業してください。

順番やること
1自分の得意な評価方式を1つ決める(試験・レポート・毎週課題・発表)
2必修と、卒業要件で必要な区分の科目を先に時間割へ置く
3残った枠の候補科目について、シラバスの配点内訳を開く
4出席の失格条件を確認する
5毎週課題・中間試験・グループワークの有無を見る
6評価の型が学期の同じ時期に集中していないか、全科目を並べて確認する

6番だけは、科目単体では判断できません。 履修する全科目を並べて初めて見えます。楽単を1科目ずつ探しても学期が楽にならないのは、負荷が重なる時期は科目の組み合わせで決まるからです。

よくある質問

楽単とは何ですか?

一般に「単位を取りやすい科目」を指しますが、取りやすさは人によって変わります。試験が得意な人には試験100%の科目が楽で、文章が得意な人にはレポート型が楽です。誰にとっても楽な科目を探すより、自分の得意な評価方式の科目を探すほうが確実です。

オンライン授業は楽ですか?

一概には言えません。オンデマンド型は視聴の時間を自分で決められる一方、毎回の確認テストや小レポートが課される設計も多く、対面より提出物が増える場合があります。授業方式だけで負荷は決まらないので、評価方法とセットで見てください。

抽選倍率が高い科目は楽単ですか?

そう判断するのは危険です。人気の理由は、単位が取りやすいこと以外にも、教員の授業が面白い、内容が実用的、時間帯が良い、必修との相性が良いなど複数あります。倍率は人気の指標であって、負荷の指標ではありません。

先輩の評判はどこまで信じていいですか?

担当教員と評価方法が同じ年度の話かどうかを確認してください。担当が替わると評価方法ごと変わることがあり、去年の評判はそのまま使えません。評判は候補を見つける入口として使い、最終判断はその年のシラバスで行ってください。

楽単ばかり取ると問題はありますか?

卒業要件は科目区分ごとに必要単位数が決まっているため、取りやすさだけで選ぶと、区分が偏って後で必要な科目を詰め込むことになります。またGPAは科目の難易度と無関係に評価で決まるので、興味の無い科目を惰性で受けると評価が伸びないこともあります。

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